ねずみ小僧の墓

ねずみ小僧の墓 新里

 新里には、江戸末期の大泥棒として有名な、ねずみ小僧次郎吉の墓と言われるものがありました。そして子供の頃のねずみ小僧に関した話が幾つか伝わっています。

 ねずみ小僧は、名を町田次郎吉と言って、子供の頃から身軽ですばやいうえに、頭が良く附近のがき大将として成長しました。

 ある時のこと、次郎吉の父親が土間でお金を勘定していると、これを見た次郎吉は父親に小遣いをせがみましたがいっこうにくれません。そこで一計を案じた次郎吉は、自分の足の裏にめしつぶをぬりつけると、土間までつま先歩きで近づいて、勘定をしたお金の上をふみ荒らしました。このために、せっかく勘定したお金は、ばらばらとなってしまい父親はかんかんにおこって次郎吉をしかりつけ、再び勘定をしなおしましたが、何度してもあわないので大さわぎとなってしまいました。それもそのはず、なくなったお金は、なんと次郎吉の足の裏にはりついていたではありませんか。このような次郎吉に手をやいた親は、次郎吉を江戸に奉公に出してしまったのです。

 このねずみ小僧の墓には、子供の豆に成長することを願う親達や諸事をする人達のお守りとして、墓石の端を削り取って持ち帰る人も多かったそうです。

次郎吉と父親の水墨画
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