あいぜん様

あいぜん様 元阿保

元阿保も四軒に近い畑の中に、ポツンと榎の大木が繁っていて、その大木の根もとに古い小さなほこらがあります。

これを附近の人は、あいぞめ、あいぜん(愛染)様と呼んで古くから六三除けに霊験があるとして、正月26と9月26日(現在10月26日)にお祭りして、広く四方から多くの人々を集めていました。人々は愛染大明神、愛染宮、または愛染明王などと書いた旗を何本も立てて願をかけ、成就した時には竹の筒にお酒を入れて、張り回されたしめなわに吊していったそうです。この旗の中には文政から天保(1818~1843)といった時代のものも、現在残されています。

この地域は、古くから御料地とされ、これも管理する役人の館があって、持仏(俗家で念持する仏像)として愛染明王が安置されて代々信仰されてきました。しかし、館は移され、お堂は領民に愛染様と呼ばれ信仰される様になって残った為に、いつの頃からこの附近の一帯を愛染と呼ぶようになりました。そして、今も小字名として残り信仰の歴史を伝えています。

あいぜん様の水墨画
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